【ゼノンのパラドックス】
師、パルメニデスの考えに反対する立場に立って物事を考察すると、
よりおかしな帰結が待っていることを示す方法。
a) 雑多の否定
「もし多くのものがあるとするならば、それは数の上で有限でかつ無限である」
現にあるだけの数は有限であるはずだが、2つのものが区別されるためには、
第三のものが必要である。さらに第三のものと2つのものが区別されるために、
第四、第五のものが必要になる。そうして無限のものが存在することになる。
b) 運動の否定
@「足の速いアキレスであっても、前を行く亀に追いつくことができない」
アキレスが亀のいた地点にたどり着いた時、亀はいくらか前進しており、
アキレスが前進した亀のいた地点にたどり着いた時、亀はさらに前進している。
A「飛ぶ矢は静止している」
静止というのは、空間のある一定の部分をあるものが占拠している状態である。
飛ぶ矢のそれぞれの瞬間を見ると、確かに一定の場所に静止していると言える。
すべての瞬間に静止しているのだから、飛ぶ矢は静止している。
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